マーケティング、デザインのクリエイティブ会社NINCHIの代表である小山啓一によるブログです。

NINCHIのBLOG


刺客のデザイン


私、小山啓一は、大阪産業局のデザインに関する専門家として「マーケティング・ブランディング・デザイン全般」に対するご相談に対応しています。

【このブログ記事は、ビジネスマッチング・ブログからのリダイレクトです】


皆さんに私のことを知って頂き、少しでもお役に立ちたいと思い、私の紹介をしていきたいと思います。


本社部門で全社のデザインクオリティに貢献するには?


私は、シャープ株式会社にてプロダクトデザイナーとして働いていました。

入社1年目で担当したポケットコンピューターがこのカテゴリーでは初となるグッドデザイン賞を獲得したことから、いろいろと期待された20代を過ごしました。


VHSビデオデッキのフロントローディングなんて言うと、知っている方は50歳以上でしょうか?これをトレイタイプ「スケーティング・メカ」なんて言われていましたが、先進的な構造を製品化したり、当時まだブラウン管テレビが年末年始のテレビCMを賑わせていた頃には、テレビを含め、多くの商品のデザインをしていました。


「バブルですね?」


そうです。本当に華やかな時代でした。
この頃から会社は私に「コンセプト・ワーク」を期待するようになっていきます。沢山の工場(事業所)を持つ企業でしたが、その統括する本社が大阪阿倍野にありました。大阪の皆さんはよくご存じの方も多いですね。

私はここに呼ばれて、デザインの開発を行うという、ちょっと偉そうなお仕事をするようになりました。

刺客のような仕事に責任を持たされる日々


その時のデザインを統括するトップマネジメントから「沢山の工場(事業所)でデザインしているが、あなたも同じテーマでデザインし、ぶつけて、勝つことがミッションです」と言われました。


「随分いやな役ですね?」


そうなんです。当時、音響機器は広島、白物家電は大阪・八尾などに工場(事業所があり、そこには担当のデザイナーがいました。そこに「こっちの方が良いデザインだ」と押しかけていく訳ですから。


今から考えるとこのアクションにはこのトップマネジメントの「戦略」があったとおもいます。


まだ、デザインの統括となって日の浅い彼は、関係の薄い各工場(事業部)のトップの信頼を獲得する必要があったのです。実は各工場(事業部)のトップは、デザインの良し悪しに疎く、それだけにデザインに対する不安があったと言えます。


「競わせる」こと「選択肢を増やす」ということで各工場(事業部)のトップがウエルカムでかつ、デザインの責任者としての責任を果たすアクションとしたのだと思います。


その中で私は「勝ち続ける」ことのプレッシャーを日々受ける訳です。


新しく、違いがあり、かつ「売れる」デザインを創ることに成功し続けるには、いきたりばったり、思い付きでは難しい訳です。美しければ売れるとはならないですから。

秘訣


「どうしたら勝ち続けられるんでしょう?」


確かに、美しいデザインを創り出すことには、ある程度自信がありました。
しかしながら、常勝の秘訣はマーケティング視点をもった「コンセプト・ワーク」にありました。

つまりは「顧客のストーリーからスタートする」ということと、その中で絶対的なモノを見つけるまでは手を動かさない(スケッチやモデリング)ということです。


そのストーリーは、ほぼ100%市場で花を開かせました。


例えば、オーブンレンジをデザインした際に工場(事業部)のデザイナーの「未来的なデザイン」「建築的な構成」を謳ったデザインに対して、私が作ったコンセプトは“週末の奥さんが寸胴鍋でブイヤベース作りに格闘し、汗をぬぐう”そんな料理を楽しむストーリーでした。


魚や野菜、ゴンチチの曲、キッチンに立ち上がる湯気にふさわしいオーブンレンジのデザイン(商品像)を形にしていきました。


ステンレス素材を使ったしっかりした把手の、鍋やキッチンの道具を思わせるオーブンレンジができました。
参考画像
https://ninc.jp/koyama_info.htmlできます。


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